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認知科学

「なるほど」で終わる学びと腑に落ちる学びの違い:予測誤差という学習の原理

いい記事を読んで「なるほど」と唸る。 翌週、その内容を人に話そうとして、何も出てこない。 長らく、自分の理解力の問題だと思っていた。 もっと能動的に、もっと批判的に読めば残るはずだ、と。 だがこの説明には合わない事実がある。 同じ頭で、自分で試行錯誤して掴んだことは何年経っても覚えているのだ。 差を生んでいるの Read more

「悩む」と「考える」は何が違うのか 思考語彙の解剖学

何時間も、そのことについて考えている。 比較して、検討して、また比較して。 なのに、朝から立っている場所が一ミリも動いていない。 これだけ考えたのに、なぜ進まないのか。 たぶん、それは「考える」ではなく「悩む」だったのだ。 二つは、感情か論理かで分かれるのではない。 分けているのは、運動の質だ。 その違いが見える Read more

ASDにとって予測可能性とは何か:安心ではなく処理負荷を下げる足場

予定が曖昧なまま出かけると、どっと疲れる。 出来事そのものは、たいしたことがない。 なのに、帰る頃にはくたくたになっている。 ASDにとっての予測可能性は、よく「安心のため」と説明される。 だが、その説明では、この疲れがうまく説明できない。 不安が強いという話ではなく、もっと機械的な、脳の処理の話なのではない Read more

「欠乏の言語」と「可能性の言語」

「一人ではできないから、人に頼る」。 そう自分に言い聞かせて協働を選ぶとき、行動としては正しくても、どこかに小さな敗北感が残る。 できない自分を認めたうえでの、やむを得ない選択。 そういう手ざわりがつきまとう。 けれど、まったく同じ「協働する」を選びながら、その手ざわりが残らない語り方もある。 「対話を通せば Read more

「やる気が出ない」の正体:行動と存在価値を切り離す

やる気が出ない。 だから動けない。 この順序を、私たちはあまりに自然なものとして受け入れている。 けれど、動けない日が続くと、話はやる気だけでは済まなくなる。 「動けない自分は、そもそも価値がないのではないか」。 気づけば、その日の生産性の話が、存在の感触の話にすり替わっている。 やる気の悩みだと思って抱えてい Read more

完璧主義の再帰構造:「受け入れなければ」という新しい罠

完璧主義から降りようとして、「ありのままの自分を受け入れよう」と決める。 しばらくすると、うまく受け入れられない自分に気づく。 そして思う。 受け入れられていない自分は、まだダメだ、と。 おかしなことが起きている。 完璧であることは手放したのに、完璧主義そのものは消えていない。 中身を「完璧」から「受容」に入れ Read more

自己肯定感の3レイヤーモデル:存在・価値観・行動

部屋が散らかっている。 それだけのことなのに、気づくと「こんな部屋で暮らしている自分はダメな人間だ」というところまで来ている。 片付けという行動の話が、いつのまにか存在の話にすり替わっている。 この飛躍は、なぜ起きるのか。 片付けができないことと、人間として価値がないことは、本当なら何の関係もない。 それでも Read more

言語性IQと動作性IQ

言語性IQ・動作性IQとは? 知能指数(IQ)は、単一の能力を示すものではない。 代表的な「ウェクスラー式知能検査」では、かつて知能を大きく二つの側面から捉えていた。 それが「言語性IQ(VIQ)」と「動作性IQ(PIQ)」であり、この二つのバランスから個人の得意・不得意の傾向がわかるとされていた。 なお現 Read more