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「悩む」と「考える」は何が違うのか 思考語彙の解剖学

何時間も、そのことについて考えている。 比較して、検討して、また比較して。 なのに、朝から立っている場所が一ミリも動いていない。 これだけ考えたのに、なぜ進まないのか。 たぶん、それは「考える」ではなく「悩む」だったのだ。 二つは、感情か論理かで分かれるのではない。 分けているのは、運動の質だ。 その違いが見える Read more

AIで賢くなるほど、組織はバラバラになる:共通認識を「転送」から「再生成」へ

一人ひとりが、AIと対話して賢くなっていく。 それぞれが深く学び、それぞれの理解を手に入れる。 個人として見れば、これ以上ない良いことだ。 だが、組織の側から眺めると、妙なことが起きている。 全員が賢くなっているのに、共通の認識だけが、じわじわ失われていく。 賢くなるほど、話が噛み合わなくなる。 このねじれは、 Read more

壊れるまで降りられない人へ 責任の「安全弁」という考え方

責任は、持つものであり、果たすものだ。 辞めること、つまり「取る」ことでは、何も解決しない。 そう考えて、降りるという選択肢を、自分の中から消していた。 壊れるまで降りられない、という構えだ。 白状すれば、これはかつての自分の話だ。 引責辞任なんて空虚だ、と本気で思っていた。 だが、その空虚さの正体を突き詰めて Read more

決断に必要なのは「正解を選ぶ力」ではない

フレームワークを選ぶ。 アーキテクチャを決める。 そのたびに、同じ恐怖がよぎる。 後になって「あっちを選んでおけばよかった」と思うのが、怖い。 この恐怖を、判断力が足りないせいだと思っている人は多い。 もっと知識があれば、正解を選べるはずだ、と。 だが、恐れている相手をよく見ると、それは正解を外すことですらない Read more

責任は「取る」ものか 引責辞任が空虚に見える理由を語源と歴史から解剖する

引責辞任のニュースを見るたびに、小さなモヤモヤが残る。 誰かが頭を下げ、辞めていく。 けじめはついた、ということになる。 だが、「それで、何が解決したのか」という問いだけが、宙に浮いたまま消えない。 この違和感は、どこから来るのか。 「責任を取る」という、当たり前に使っている言葉。 その語源と歴史をたどっていく Read more

ASDにとって予測可能性とは何か:安心ではなく処理負荷を下げる足場

予定が曖昧なまま出かけると、どっと疲れる。 出来事そのものは、たいしたことがない。 なのに、帰る頃にはくたくたになっている。 ASDにとっての予測可能性は、よく「安心のため」と説明される。 だが、その説明では、この疲れがうまく説明できない。 不安が強いという話ではなく、もっと機械的な、脳の処理の話なのではない Read more

探索能力を一時停止する技術:前提を疑いすぎる人のための実行モード設計

何かに取り組んでいて、少し壁にぶつかる。 その瞬間、「この方法、間違ってるんじゃないか」と考え始める。 気づけば、手を動かす話だったはずが、方針を練り直す話に戻っている。 そして、また振り出しだ。 これを「やり抜く力が足りない」で片づけたくなる。 だが、そうとは限らない。 考える力が弱いのではなく、強すぎるのか Read more

アトランティスは比喩として正しい:知識の脆弱性と文明の崩壊パターン

アトランティスは、実在しない。 考古学的な証拠はなく、科学的にはただの空想だ。 それでも、この物語は消えない。 高度な文明が一夜で滅び、知識の断片だけが受け継がれ、やがてそれも失われる。 この筋書きに、理屈を超えて惹かれてしまう。 ただの作り話なら、これほど繰り返し語られないはずだ。 だとすれば、事実としては嘘 Read more

一人でも失敗したら終わる世界で、人類はどう生き残るか

人類は、失敗からしか学べない。 痛い目を見て、次はこうしようと修正する。 試行錯誤こそ、人類最大の武器だ。 だが、その武器がまったく効かない領域がある。 一度起きたら、そこから学ぶ主体がもういない失敗だ。 そしてAIは、その「取り返しのつかない失敗」を、国家ではなく一人の個人が起こせる時代を近づけている。 善意 Read more

なぜGmailには個人情報を入れるのにAIには入れないのか

Gmailには、何のためらいもなく個人情報を書く。 クレジットカードの番号も、家族の予定も、通院の記録も、メールには平気で残っている。 なのに、同じ人がChatGPTには入れない。 学習をOFFにする設定があると分かっていても、指が止まる。 自分でも、少し矛盾している気はしている。 技術的に見れば、Gmail Read more